先日「ヒロシマ・モナムール」の紹介記事を書く前からずっと、この手のハードロック系?の曲にハマりっぱなしですやん。もう梅雨も明けるというのに、いつまで暑苦しい曲ばっか聴いてるんだぜ?と思いつつも、一向に飽きる気配がない(笑)久しぶりに「音盤レビュー」したくなったぞ…ということで「最近の人が聴かない音楽」2枚。いいか若人よ、このレコードを絶対聴くなよ?絶対だぞ!!(笑
RAINBOW / DOWN TO EARTH
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Album |
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発売元/レーベル |
ポリドール |
品 番 |
MPF 1256 |
発売年月日 |
1979 |
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side A
1. ALL NIGHT LONG
2. EYES OF THE WORLD
3. NO TIME TO LOOSE
4. MAKIN' LOVE
side B
1. SINCE YOU'VE BEEN GONE
2. LOVE'S NO FRIEND
3. DANGER ZONE
4. LOST IN HOLLYWOOD
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リッチー・ブラックモア率いる「レインボー」と言えば、メンバーチェンジを繰り返しながら音楽性も変化していったバンドですね。中世をモチーフにした「様式美」的な70年代から、アメリカでのヒットを狙ってポップな「産業ヘヴィメタル」路線となった80年代、このアルバムはちょうど過渡期に当たるものです。
能書きはともかく、最初の2曲でいきなり掴まれたぜ!印象的なフレーズで始まる1曲目"ALL NIGHT LONG"、アメリカ〜ンでベタカッコいい?ですね。リッチー、グラハム、決まってるぜ!!対して2曲目"EYES OF THE WORLD"はスケールのでかい「様式美」系…てか、これ懐かしのアニソンいや「戦隊モノ」っぽく聴こえね?って思うのは私だけか(笑)メロディアスなくせに妙にパンチが効いてる戦意高揚?ナンバー、音が適度に古臭いのがまたイイ!実は1番目か2番目に好きな曲かもしんないです(笑
B面1曲目"SINCE YOU'VE BEEN GONE"、当時ファンの間でも賛否両論分かれた曲らしいけど、私も最初聴いたときは正直「えーっ、ちょっとポップすぎるんでねぇの?」と…やっぱディープ・パープルの後継バンド?みたいなイメージがあったからかなぁ。でも聴き込んでいくうちに好きになってきましたよ。信州林檎!(笑)「歌うやっさん」の異名をとる?グラハム・ボネット、実はすごい表現力を持ってるんですね。そして最後の"LOST IN HOLLYWOOD"はまさに圧巻、このアルバムを代表する「名演」です。
「ヒロシマ・モナムール」の記事でも書きましたが、このアルバムはポップな曲とへヴィーな曲がうまくバランスとれてて、何回聴いても飽きないです。やっぱレインボーの曲、いやリッチ−・ブラックモアの曲全般か?「決めのフレーズ」が多いですね。メロディや「間」の取り方が絶妙、リッチーのギター、グラハム・ボネットのボーカル、コージー・パウエルのドラムによる「破壊力抜群」のサウンドは、聴いててホントに気持ちいいです。当時彼らはアメリカよりも日本で人気があったそうだけど、「様式美」「ベタカッコいい」「決めのフレーズ」…日本人がハマる要素なのかもしれませんね。(でも今の日本の音楽ファンには、あまり評価されてないっぽいような気が…?)いいもん!おぢさんこういうベタなの、大好きだもん!…
DEEP PURPLE IN ROCK
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Album |
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発売元/レーベル |
ワーナー |
品 番 |
P-8020W(1971年再発盤) |
発売年月日 |
1970 |
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side A 1. SPEED KING 2. BLOODSUCKER 3. CHILD IN TIME
side B 1. FLIGHT OF THE RAT 2. INTO THE FIRE 3. LIVING WRECK 4. HARD LOVIN' MAN
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リッチー・ブラックモアの軌跡を辿ろう!じゃねぇや、レインボーを聴いたら10数年前、ディープ・パープルにハマってたことを思い出しましたよ。「黄金期」と呼ばれた第2期、"HIGHWAY STAR" "SMOKE ON THE WATER" "LAZY"など、ヒット曲てんこ盛りの"MACHINE HEAD"をお勧めする人が多いかと思いますが、アルバム全体で見れば、私はこっちの方が好きだなぁ。1970年、第2期の幕開けを飾る作品。「ディープ・パープルの音」と言えば真っ先にこのアルバムが浮かぶ、強烈な印象を残してくれた1枚です。
第1期ディープ・パープルってのを、私はあまりよく知らんのですよ。YouTube動画でちょろっと見ただけ…いかにも60年代な、サイケデリックみたいな?…その後オーケストラと共演したりと試行錯誤の後、クラシック路線で行くかハードロック路線で行くか、ハッキリしようじゃないか、ってなったんだっけ?クラシックの次はバキバキのハードロックで行ってみよう、と出したのがこのアルバムらしいです。もちろんハードロックで決定したのは、ご存知の通りですね。
私がこれを最初に聴いたのは発売から20年以上後でしたが、とにかく衝撃的な音だったなぁ。ハモンド・オルガンがええ味出しとるぞ、と思ったらいきなり爆走!宙を舞ってる!!…こんなオルガン、聴いたことがなかった。1曲目の"SPEED KING"は、私がハマった当時「スカイラインGT-R」のCMに使われてたんだったか?後の"HIGHWAY STAR"に通じる「スピード命」のナンバー、速いだけじゃなくて重いです!!?鉄の塊が轟音を立てているような演奏?…まさに元祖ヘヴィメタルですね…発売当時はヘヴィメタルって言葉はまだなかったような?
「一発録り」で一気に仕上げたのか?(違ってたらすんません)最初から最後まで、とにかくテンション高いです。A面3曲目"CHILD IN TIME"からB面1曲目"FLIGHT OF THE RAT"、そして一番最後の"HARD LOVIN' MAN"…間奏のアドリブがやたら長いぞ!リッチーの怒濤のギター、イアン・ギランの超絶ハイトーン・シャウト、もうこの世の物とは思えない!!?
それからドラムのタイム感?って言うんですか、これがまた素晴らしい。B面の2〜3曲目はミディアムテンポながら重厚なグルーブ感があって、思わずリズムをとりながら聴き入ってしまいますよ。まだやるですか、まだ飛ばすですか!?…と最後まで聴いた後でまたリピートしたくなってしまうのはやはり、「癖になるフレーズ」が随所にちりばめられているからですね。アルバム丸ごと、気合いと狂気?のプレイです。超名演。
最後に今回紹介したアルバムの音質について。一言で言えば「この音の悪さが、たまらん!!!」(笑)全体的に音が篭っていて、おどろおどろしさを増してます。多分最近のバンドの音に慣れた人が聴くと「音悪っっ、プレーヤー蛾物故割れたか??」となるんじゃないかと…でもね、もし普通に音質が良かったら"IN ROCK"における異常なまでの気迫感、"DOWN TO EARTH"における闇を切り裂くような感覚は、聴こえてこなかったと思いますよ。むしろ音の悪さが雰囲気を盛り上げているという意味で、良い録音と言えるのではと思います。オーディオ的に良い音質が、良い録音とは必ずしも限らないんですね。