前回の続き。ターンテーブルシート、ターンテーブルマットとも言いますね…どっちでもいいや。Googleで検索してみたら「ターンテーブルシート」の方が多かったのでそっちにします(笑)身近にあるもので聴き比べてみました。プレーヤー本体はお馴染み?テクニクスSL-1200MK3、カートリッジはシュアーV15 TypeV MRです。テキトーにざっと聴いてみた順に記していきますので、あまり当てにならないかも?あくまで実験です。実験実験!
1. SL-1200MK3付属シート
DJ用のスリップマット(Technicsのロゴ入り)ではなくて、ノーマルのゴムシートです。厚さ約6mmと分厚く、ズッシリと重いです。同心円状に溝が入ってますが密着感は悪くないですね。確かDDターンテーブルの名機、SP-10シリーズにも同じようなデザインのシートが付属していたので、そんなに悪いものじゃないだろうと思ってたんですが…。。
以前から書いてる通り?中域モッコリのカマボコ型です。低域の押し出しは強いけど、あまり下が伸びない…。高域も控えめですがよ〜く聴くと繊細さも見え隠れする?んで、完全に落ちてるわけではなさそうですね。基本的に中域に癖があるようで。私の個体だけの問題かもしれません。SL-1200ユーザーのみなさん、どうですか??
2. KP-7070のシート
以前使ってたプレーヤー、トリオKP-7070のシートに交換してみました。こちらは約4.5mmと標準的な?厚さ。小さな穴が多数空いており、ヘルムホルツの原理?とやらで共振を抑える構造になっているらしいですが、当時はあまり評判良くなかったそうですね。酷使のためか?表面がツンツルテンになってます(笑)でも密着度はバッチリ。
早速聴いてみたら…おっ!!!中域の癖はすっかり治まり、全く別物の音になりましたよ。低域もグッと自然になりました。その分平面的?と言いますか、高域が少し騒がしくなったような印象を受けましたが、レンジは間違いなくこちらの方が広いですね。付属シートよりはいいと思います。
3. シートを外してみる
んー、ターンテーブルシートでここまで音が変わるか…シートによって癖があるもんだなぁ。それならいっそのことシートを取ってみるか?と、ここから実験ですよ。アームの高さを調整して、レッツトライ!?
素晴らしい!非常に自然な音です。低域・高域ともにダダ伸び状態?特に特徴はないがとにかくクリアーで、不純物のない純水のような音、まさにナチュラルボーンサウンド!?…人によっては物足りない、ちょっと固いかな?と感じるかもしれませんが、私はこの音好きですね。ひょっとして、ターンテーブルシートって必要ないんじゃないの?なんちて。。でもね、この状態で使うとプラッターにある穴からゴミが入らないかとか、下手したら盤を傷つけてしまわないか?とか、いろいろ心配なんですよねぇ。。金属製のターンテーブルシートを試してみたらいいのかもしれませんが、あれって高いんだよなぁ。ところでこの穴って、指を突っ込んでプラッターを取り外す以外の目的って、あるんでしょうか??
4. フェルト
一部の高級機やDJ用のスリップマットで採用されている素材ですね。手芸店で入手、1m四方で900円くらいだったかな?厚さ約2mmを2枚重ねにしてみました。密着度は高くない?というか、滑りやすいですね。ターンテーブルと盤の間が滑るのは音質的には良くないんじゃないか、レベルの高い部分で歪みが生じたりはしないか?と心配しましたが、ここは実験だし?気にしない気にしない(笑
シート無しの状態に比べて、低域に響きが加わりました。その代わり全体的に控えめで大人しく引っ込み思案な?音になります。ジャンルによってはイケるかもしれないんだけどねぇ、いわゆる「クラシック向きでロックには適さない」音質なのかな?もしくは70年代の歌謡曲などをかけてノスタルジーに浸るのもいいかもしれません…んー、でも正直、これを常用するかと言われれば、パスだなぁ。。
しかしこの素材を丸く切るのって、難しいね。普通に型を取ってカッターで切ると、どうしてもガタガタになってしまう(笑)ちなみに1枚で試したら、少しシート無しの音に近づきました。そのまんまだ…。
5. コルクシート
これも時々ターンテーブルシートとして使われている素材ですね。ホームセンターで、スチールラックの棚に敷くオプションとして売られている物を入手。厚さ約3mm、610円。ゴムよりも柔らかく、ゴムと同様に弾力性としなやかさを持った素材です。密着度や滑りの少なさもゴムと同様。
フェルトに比べてグッと現実的な?音になりました。パワー感が増します。バスドラムのキックはより力強く、パーカッションの炸裂感も抜群。それでいて2.のKP-7070付属シートでは今一つ得られなかった高域の透明さもバッチリ保ってますよ。しかしシンバルやハイハットに独特の付帯音が乗るような気がするのは、気のせいかな?もうちょっと聴き込んでみる必要があるかもしれません。嫌な響き方はしないから、これでいいかとは思うんだけどね。。
以上、独断と偏見の聴き比べ。みなさんも自分の耳で確かめてみてください。私としては最後のコルクシートが一番良かったかな?当分これで行こうかと思います。東京防音のシートを手に入れるまでは…??
おー、参考になります!
参考までに、季刊『analog』という雑誌の2004年vol.5号に『ターンテーブルシート徹底研究!』という記事があります。
流石は福田先生、金属からフェルト、意外な異素材とやり込み度も半端無いので機会があったら読んでみて下さい。
ちなみにその記事の中で意外と良さげだったのは、北川工業というメーカーの室内滑り止め安定シート『アンティー』(笑)。素材は薄いポリオフィレンの網状シート、400×1150ミリで1750円前後らしいです(執筆当時で)。
これをカットしてシートレスの状態にヒラッと載せるだけ!記事中では、一番効果があったと書いてあります。試す価値はありそうです。薄いので、組み合わせ使用もアリかもしれませんね!
ときに、東京防音のシート、音質はいいのですが所有者としてあえて言わせてもらうと『シングルが非常に取り辛い』という決定的な難点があります。くれぐれも気をつけて下さいね!
あと、比較試聴して初めてわかるのだけれども、これにもちょっとした癖があります。う〜ん、奥深いっス!!
どもです!情報ありがとうです!
季刊「analog」機会があれば是非見てみたいですね。2年前の記事か…本屋には置いてなさそうだなぁ。。
網状の滑り止めシート、実は私もホームセンターで見つけて試すべきか?すごく悩みました。「アンティー」って名前じゃなかったけど(笑
発泡ゴムに近い感じの素材でしたっけ?音質的には良さげでしたが少し粘着質で、盤面に影響がでそうだなぁ、と今回はパス。試してみた方が良かったかな。
KP-7070のシートもシングル用の溝は切ってないので、東京防音のも無問題かと思ってましたが、あまり密着度が高いと、確かに難儀しそうですね(笑