前回の続き。デジカメプリントの話です。
どうでもええが、近所の某店店員にはムッと来たなぁ。
この記事の発端となった「RAWデータをDPPで現像したのとPhotoshopで補正したのを一緒にプリントしたら、DPPで現像した物だけ自動補正がかかった」件、明らかに自動補正がかかっているのに(過去に同じデータから自動補正無しでプリントしたことがあったから、一目で分かる)「自動補正してません!」って言い張ってたんだよね。で、次に今回記事用のテストプリントを注文してみたら、今度は全コマ自動補正解除されてしもたよ…。「自動補正がかかっているものがあったので解除しました」どのコマに補正設定されていたかも教えてもらえなかったし、改めて前回のプリントについて聞いてみたら「補正してません!」の一点張り。話通じねぇ、テストにならねぇorz…。結局別の店舗でテストプリントは無事完了、Exifとフロンティアについて説明もいただくことが出来たので、良かった良かった。
聞くところによるとフロンティアは自動補正の設定/解除を1枚ずつ行わなければならないそうで、枚数が多いと操作が大変だからそういう指示は受け付けない店もあるとかないとか??…その辺あまり分かってないバイトの店員さんもいることだし、フロンティアが内部でExifをどう処理しているか、ましてやCRタグ云々とか、知っている人は少ないんじゃないかと思います。
そこで店側の負担をなるべく軽くして、全ての店舗でスムーズにトラブルなく無補正プリントを手に入れよう!というのがこの記事の目的ですよ。きっかけを作ってくれた無愛想な店員に感謝、テストプリントに協力してくれた別店の店員さんに多謝!
Exifを変えてプリントしてみた。結果は…?
前回記事の最後で触れた4種のJPEGファイル、
1つのRAWデータから
- A…DPPで現像してJPEGで書き出し
- B…DPPで現像して一旦TIFFに書き出し、Photoshopで開いてJPEG保存
- C…A のExif情報を全削除
- D…A のExifをCR=1に変更
のプリント結果です。自動補正されたのはAだけ、B,C,Dはほぼ同じ仕上がりとなりました。
裏印字は↓こんな感じ
プリントの表をお見せ出来ないのが残念だが…(写ってる人に渡す用の写真ですよ)Exifの内容とプリント結果をまとめてみました。
ファイルのExif内容 | プリント結果 | |||
Software | CustomRendered | 裏印字(2行目後半) | 仕上がり(自動補正) | |
A | Digital Photo Professional | Normal (0) | NNNN A CR=0 | 補正あり |
B | Adobe Photoshop CS3 Macintosh | Normal (0) | NNNN | 補正なし |
C | (なし) | (なし) | NNNN | 補正なし |
D | Digital Photo Professional | Custom (1) | NNNN CR=1 | 補正なし |
ちなみにAのデータから「自動補正無し」を指定してプリントすると、裏印字は"NNNN CR=0"となります。
Photoshopで処理したものは、Exif無しと全く同じプリント結果になるんですね。やはりフロンティアはSoftwareタグの"Photoshop"を判別して、Exifをカットする処理をやってるのか?実際どうなんだろう?Photoshopの他にもExif無視されるソフトはあるのか?…追加検証が必要かもしれません。情報求む!
Exifを書き換えるツール
さて上記のテストでDはAのExifをCR=1に変えた物と簡単に説明したけど、実はCRタグの設定を変更できるソフトって、非常に少ないんですよ。フジのデジカメに付属しているFinePix Viewerが対応してるらしいけど、そんなの持ってな〜い!だからこれを使うしかない?
中級者以上限定?Exifの表示・追加・変更が自由に出来るツールです。いわゆるPerlモジュールというやつで、恐らくサーバーに設置して「Exifが表示可能な画像掲示板」みたいな使われ方が多いんじゃないかなぁ。
コマンドラインによる操作、詳しい使い方は省略しますが(よく分かってない)例えばMac版でCR=1を設定して上書き保存するには、ターミナルを起動して
exiftool -overwrite_original -CustomRendered="Custom" (対象ファイルのパス)
を入力すればOKです。Windows版の使い方はこちら。
- exiftool.exe の簡単な使い方 (TeamHige)
てか、コマンドラインまじ苦手っす、Macでターミナルを起動して毎回コマンドを打ち込むなんて、想像するだけでゲンナリですよ。ここはMacらしく?ドラッグ&ドロップで大量のファイルを一発で処理出来ないもんかと…シェルスクリプトからドロップレットを作成するツールを発見したので、早速使ってみよう!
今回の例だと
#!/bin/sh
exiftool -overwrite_original -CustomRendered="Custom" "$@"
という内容のスクリプトを"ExifCR.sh"という名前で保存、これをDropScriptにドロップすると、"DropExifCR"というドロップレット(アプリケーション)が作成されるといった具合です。他にもいろいろ使い道がありそうですね。
Windows版のドロップレットは、リネームの他にもexiftool.exeのショートカットを作って起動オプション -overwrite_original -CustomRendered="Custom" を付けてもイケるみたいです。
結論:CRタグはあまりにもマイナーである。
デジカメプリントの仕上がりに重要な関係があるCR (CustomRendered)タグ、結局ちゃんと活用してるのは富士フイルムだけか?キヤノンもアドビも対応してない(っぽい)のは、残念ですね。CRタグが新しく追加されたExif2.2規格は「Exif Print」という別名で、キヤノンも積極的に参加していたはずなのに…まぁキヤノン的には「ウチのプリンタでプリントしてください!」ってことなのかもしれんが、だったら尚更CRタグを活用すべきだという気もするんだけどなぁ…。
とりあえずフロンティアで無補正プリントするファイルにはExifToolのドロップレットを使ってCR=1を設定、注文時に「補正無しで、自動補正の設定はそのままで」と説明すればOKかと思います。無補正プリントについては一件落着?
ところでExifToolでSoftwareタグあたりを書き換えれば、Photoshopで処理した画像を「撮って出し」扱いにして自動補正プリントすることも出来そうだね。個人的には必要ないか?いや試しにやってみるか?
参考リンク
前回記事で紹介した「カメラ小僧の憂鬱」からの記事
- フロンティアのプリント処理と依頼方法 その1 (カメラ小僧の憂鬱)
フィルムからのプリントや普段あまり使う機会のない?オプション等、情報が網羅されています。他にも「メモ」カテゴリーにプリント関連情報が満載、これは必見です!
- プリントした写真の裏印字 2 補正情報の読み方 (くろんの風)
フロンティアおよびノーリツ鋼機のプリンタの裏印字について解説。フロンティアの裏印字は、いくつかの異なる形式があるのか?店(チェーン)によって違うのかもしれません。