「仕事」の覚え書き〜個人撮影・ライティング編

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どうして今週は地獄のスケジュールなんだぜ!ということで、全く個人的な覚え書き。「個人撮影」と言うよりは単なる顔写真ですが、これが毎度ドツボっております。多分この撮影やる限り永遠にドツボり続けると思う…。

事の経緯は昨年の話、こちらの記事をご覧ください…て、この記事、激しく蛇足だらけですな。要はこういうことです…今まで大型ストロボ2灯で撮っていた顔写真を、クリップオンストロボ1灯で出張撮影しなければならなくなった。ストロボ直射ボーン!でいいんですか?そんなのありえな〜い!?小型ストロボ1灯でお手軽(?)人物撮影、果たしてどこまでイケるものなのか?…というところで終わってますね。あれから1年余り、試行錯誤の繰り返しでようやくいくつかのパターンや設定法などが見えてきたので、忘れないうちにここに書いておこうかと思います。こういう撮影では結果がすぐに分かるデジタルカメラ、非常に助かりますね。

えーと、まずは既定の条件から。

  • カメラはキヤノンEOS 20D、レンズはEF50mm F1.4 USM
  • ストロボ(550EX)はブラケットを介して取り付け、縦位置で構えたときに発光部がレンズの上に来るようにします。
  • 縦位置で人物の腹部より上をフレームに収め、頭部に約10cm以上の余裕を持たせます。撮影距離は1.2〜1.6mくらいかな?
  • 背景は無地でなくてもいいらしい?本棚や実験器具など、大学の研究室らしい雰囲気が出た方がいいそうで…つってもほとんど写らないんじゃないかな?髪の毛が溶け込んでしまうので黒っぽいものは避けた方がいいようです。
  • 複数の人物を同じ条件で撮るため、露出モードは基本的にマニュアルで固定。部分測光で大まかな露出をつかんだ後、テスト撮影→ヒストグラムの確認で決定します。
  • シャッタースピードは大体1/160〜1/250秒(←EOS 20Dの最高シンクロ速度)。動きのある表情で被写体ブレを起こすので、スローシャッターは使わない方がいいでしょう。

以上の条件によるいくつかのパターンと補足説明です。

パターン1:日中の比較的明るい室内

窓際且つ白っぽい背景の場所を選び、顔に対して少し斜め気味に光が当たる状態にします。天気が良いとISO400でf2.8〜4・1/200〜1/250秒くらいの露出になるかな?ストロボは天井バウンスであくまで「影起こし」として使うのですが、自然光とのバランスが難しい!詳しくは後述しますが、背景や服の色を見て調光補正する必要があります。いっそのことストロボの光量もマニュアルで固定した方がいいのかな?と考え中。通常は窓の形のキャッチライトが入ることが多いですが、入らない場合はストロボにオムニバウンス(ディフューザー)を装着します。これを使うと前方にも光が飛ぶので、背景に影が入らないかも注意する必要があります。十分距離をとれば大丈夫ですけどね。

パターン2:夜間、または暗い室内(あるいは廊下)

ストロボにオムニバウンスを装着して天井にバウンス。シャッター速度は1/250秒、絞りはf3.5〜4と、テキトーに設定。この場合、光源は完全にストロボ1灯に頼る形になります。その分調光補正はパターン1以上に気を使うことになります。また、狭い廊下などでの撮影では背景の影にも注意ですね。人物に対して壁が斜めに来るようにすることが多いですが、出るときは出てしまう…昨年度はよく廊下で撮影してましたが、今はあまり選びたくない条件かな?でもうまくいけば、柔らかい中に芯のある、いいライティングになるんですよ。ストロボの光は、正確には天井だけでなくその脇の壁にもバウンスされる形になるようです。最近妙な裏技を発見、これも後述しますか…。

パターン3:屋外

まず被写体の人物が立つ場所に立って、日陰で順光気味且つ背景に問題のない場所・角度を決めます。晴天・曇天はあまり関係なかったりします。背景とは十分な距離をとった方がいいですね。身長により背景のかかり方が変わるので、それも考慮に入れなければなりません。(これはどのパターンでも同じか…)ストロボは直射、影起こしとキャッチライトに専念する形になりますが、これも背景や服の色によっては光りすぎて不自然になることがありますね。やはりマニュアル発光で控えめに設定した方がいいか?思索中。ベランダやオープン廊下のような、屋根のある場所を選びバウンスさせることもあります。(パターン1に近い条件)この場合ストロボをトップライトとして機能させたいんだけどなぁ、なかなかそうもいかない…。ていうかホントはレフ板を使いたいんですよ。またまた難しい問題?これまた後述。

ストロボの自動調光について

最初E-TTL IIの標準設定で、パターン2の条件で撮ってみたら服の色に引っ張られまくり!、こりゃ使えないなぁ…ということでカスタム機能C.Fn-14「E-TTL II調光方式」を「1:平均測光」に設定、これで少しマシになりました。と言っても引っ張られることは引っ張られるんだけどね…予測がついて調光補正でカバーできる範囲にはなりましたです。但しこれを設定すると他のパターンや集合写真などでも常に調光補正を弄らなければならない諸刃の剣?一人ずつテスト撮影→ヒストグラム確認をやるのは正直面倒臭いしなぁ…時々忘れたりするし(笑)…パターン1や3のように、ストロボを補助光として使う場合はマニュアル発光した方がいいのかもしれません。先日試してみたけど大人数のときはこっちが楽なような気もする…?光量調整がうまくハマればの話ですけどね。。

レフ板を使ってみたい!が、しかし…

正直、屋外での撮影(パターン3)では、補助光にストロボではなくてレフ板を使いたいんです。光量調整に気を取られずに自然な光が得られるし、シャッタースピードを上げて絞りを開くことも出来る…キングのRレフみたいな、折り畳み式のやつを装備したいなぁと思ったんだけど、問題はそのレフ板をどうやって固定するかなんですよ。もちろん撮影要員は私一人だけ。アシスタントなんかいるわけない(笑)そこにいる学生に持ってもらうか?いや、そんな雰囲気のいい研究室ばかりではありません。以前「私の好きなデジカメサイト」と紹介した西川和久のフォトジェニック・ウィークエンド」で、彼は股間にレフ板の端を挟んでカメラを構えるというアクロバットな技を多用していますが、これは同条件で複数の人物を撮るときには使えなさそうだしなぁ…小型のスタンドを一緒に持ち歩くか??…これ以上荷物を増やすのは、もういやづら。。

最近発見した力技

つってもすでにみなさんやっているかもしれませんね…ストロボを斜め後ろにバウンスです。パターン2の応用編。室内の撮影現場の多くは白い天井と壁を持った部屋なんですけども、こういう部屋で顔写真を撮る場合、通常はは白い壁の前に人物を立たせることを考えますよね。が、ここで逆転の発想!?カメラマンが壁の前に立ちます。そしてストロボの発光部を斜め後ろ上に向け、天井と壁の接合部に向けて発光させます。大型ストロボ+アンブレラ1灯に近い感じになるかな?一度部屋の角、天井+壁2で3面になっている部分でバウンスさせたことがあるんですけど、まるで大型のボックス(バンク)を使ったかのような、大きなキャッチライトが入りました。ストロボの照射角は少し広め(24mmくらい?)に設定した方がいいでしょう。部屋の広さの都合でストロボと壁の距離がとれない場合は、オムニバウンスを装着して真後ろ気味に発光部を振るとさらに高い効果が得られます。この方法の弱点は、背景の処理がちと難しいことかな?でも人物と背景の距離をとってぼかすという方法もあるし、逆に背景を近づけても影が出にくかったりもします。あと心配なのがストロボの光量、フル発光に近くなりチャージが遅くなるんじゃないかな?ということですが、2面あるいは3面で光を回すためか?意外と問題なかったりもします。

ちなみに今まで天井以外でバウンスに使ったことがあるのは、階段の裏の斜めになっている面です。ある建物の1階ロビーに、いい場所があるんですよ。人物の立ち位置に対して少し横にずれているのがグッド。非常に味のあるライティングが得られる、お気に入りの場所です。これが「仕事」じゃない撮影だったらなぁ…、?

以上、2005年11月22日時点での即席人物撮影に関する覚え書き。

ホントはね、こういうネタは作例写真を交えてビジュアルに紹介したかったんです。が、こんなブログのためにモデルになってくれる人などいるわけない!?それどころか個人的な人物撮影の機会が全くなかったりしてorz...まぁしょうがないすね。勝手に仕上がりをイメージしてもらって、参考にしてくれる方がいれば幸いだと思っています。。

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